カウンセリングはどこまで秘密を守ってくれるの?

心理士は相談に来た人が話したことを原則秘密にしないといけないというルールがあります。
もっと言うと、相談に来たという事実も秘密にしなければいけません。
臨床心理士・公認心理師は秘密を守る義務があります(これを破った公認心理師は懲役または罰金という法律があります)。
とにかく安心して相談できるようにという仕組みになっていると理解していただければと思います。

でもいったいどれくらいの秘密まで守ってくれるのか、気になる人もいることかと思います。
実はカウンセリングで秘密にしなければいけない範囲はとても広くて、家族や学校や会社に何か聞かれたりしても、何も回答することはありません。
もしもカウンセリング中に犯罪行為が明らかになったとしても原則として秘密にされます。

じゃあどんなことが秘密にできないかというと、自分を含めた生命に危険が及ぶ場合です。
具体的には相談者の方が誰かを殺そうとしていることを仄めかしたり、怪我をさせようとしているときです。
子供に虐待をしていることが疑われるも含まれます。
それと、相談者の方が本当に自殺してしまいそうなときです。
これを自傷他害の原則と言います。
このような場合には必要な機関や周囲の人々に連絡をします。

とはいっても、カウンセリングで死にたい気持ちを話される方は多いので、そのたびにどこかに連絡をするわけではありません。
しんどいときに死にたいという気持ちが湧き上がってくるのは当然のことなので、普段のカウンセリングでは心理士はその気持ちを受け止めることに徹します。
でも、「いよいよ本当に自殺してしまいそう、この人の命が危ない」という状況のときには、なにより命の安全が優先されます。
自傷他害の原則に当たらなければ、秘密は守られますので、安心して相談にいらしてくださればと思います。